春の訪れとともに野に顔を出す“つくし”。
山に囲まれた田舎の実家には、春になるといろんな山菜が顔を出します。今回は、実家からの電話で「今日つくしを取って来てな、炊いたわ。つくしは体に良いんだって」と母。
見た目のかわいらしさから観賞されることが多いですが、実は食べることもでき、意外なほど栄養が豊富な山菜なんです。
本記事では、お金がかからず、お財布にやさしい山菜である、つくしの栄養成分や健康効果を調べてきました。また、安全な食べ方についてお話していきたいと思います。
つくしは意外と栄養豊富な春の恵み
つくし(スギナの胞子茎)は、昔から春の山菜として親しまれてきました。その見た目からは想像できませんが、栄養価が高く、季節の変わり目に体調を整える食材として注目されています。
つくしに含まれる栄養素とその効能
栄養素 | 含有量(目安) | 効果・効能 |
---|---|---|
βカロテン | 高め | 抗酸化作用、皮膚や粘膜の健康維持 |
ビタミンC | 中程度 | 免疫力アップ、コラーゲン生成を助ける |
カリウム | 豊富 | 利尿作用、むくみ予防 |
食物繊維 | 含有 | 腸内環境の改善、便通の促進 |
鉄分 | 微量 | 貧血予防、疲労回復 |
特にβカロテンやカリウムが豊富で、体内の老廃物を排出しやすくし、春のだるさやむくみ改善にも効果が期待されます。
しかし、カリウムは摂りすぎると高カリウム血症になる可能性が出てくるので、食べ過ぎないようにし、ほどほどに取り入れてみる程度にしましょう。
つくしを安全においしく食べるために
つくしはそのまま食べるとアクが強いため、必ず下処理(アク抜き)が必要です。
下処理の手順:
- つくしの「はかま(節の周りの輪っか状の部分)」を一つずつ取り除く
- 水でよく洗う
- 熱湯で1〜2分ほど軽く茹でる(※ゆですぎ注意)
- 冷水にさらしてアクを抜く
おすすめの食べ方:
- 卵とじ:ほろ苦さと卵の甘みが好相性
- 佃煮:保存も効き、ご飯のお供に最適
- おひたし:シンプルに出汁と醤油で
食べる際の注意点
つくしには少量ながらアルカロイド系の成分(微量の有毒成分)が含まれるため、大量摂取は避けましょう。特に小さなお子様や妊婦さん、持病をお持ちの方は量に注意が必要です。
また、道路脇や工場周辺など、汚染の可能性がある場所で採取したものは避けるようにしてください。
まとめ:自然の恵み“つくし”を春の食卓に
つくしは春だけの短い期間しか味わえない、自然がくれた貴重な食材です。適切な下処理を施し、適量を楽しむことで、体にうれしい栄養をしっかり取り入れることができます。
春の散歩で見かけたつくし、次はぜひ「食べる楽しみ」としても味わってみてはいかがでしょうか?