2025年、日本列島を襲う猛暑は過去に例を見ないレベルで深刻化しています。都市部のヒートアイランド現象、高齢化、在宅勤務の定着など、これまでとは異なる条件下で私たちは夏を過ごすことになります。
これまでの「こまめな水分補給」「帽子をかぶる」「日陰に入る」といった対策だけでは、もう限界があります。熱中症対策もアップデートの時期に来ています。
実際に、現在梅雨に入ったかと思いきや、30度を超える猛暑日が続いています。急激な気候の変化は、今までの夏の超え方では体が追いつかなくなっています。それは、多くの方が実感しているのではないでしょうか。
気候も様々変化していきます。そうしたら、私たちも変化していくことが、健康に乗り越えていくためには、本当に大事！
今までと同じ夏の乗り越え方で何もせずに「もう、嫌だ」「しんどい」と嘆きながら過ごしたり、「クーラーしんどい。ここは、まだ涼しい」「節約したい」なんて言っていると、本当に熱中症になってしまい命を守ることさえもできないと思うのです。
今年の夏の乗り越え方は、「守り」ではなく「攻め」です。
つまり、今までの夏の対策で「守り」をすることから、守りながら体を回復させていく新しい夏の対策「攻め」が今こそ必要なのです。
本記事では、2025年だからこそ実践すべき新習慣と、万が一の際の回復食の重要性まで徹底解説します。
Point1：エアコンの「使い方」ではなく「置き方改革」
多くの人がエアコンを「部屋の温度を下げる機器」として使っていますが、実は“設置場所”によって効果が大きく変わります。熱気は上昇し冷気は下に溜まる性質があるため、冷気が部屋全体に回らない場合があります。
【新習慣】アルミシートや遮光カーテン＋USBファンの活用で節電しながら、快適な室内環境を整える
窓際にアルミシートなどの“冷気反射パネル”を設置し、室内への熱の侵入を防ぐだけでなく、USBファンなどで空気を循環させるといった手法で冷却効率を高めることができます。そうすることで、６畳のワンルームで除湿、弱風で27度で快適に過ごすことができています。しかし、人によって体感温度が異なり、２８～２６度設定が一般のようなので、快適に過ごせる環境づくりに役立ててみてください。これらは100円ショップでも揃う簡易グッズで実現可能です。
Point2：水分補給の“タイミング”ではなく“腸内水分保持力”を強化
水を飲んでもすぐに汗として出てしまっては意味がありません。重要なのは「体内に水分を保持する力」なのです。
【新習慣】オクラ、モロヘイヤ、アロエなどの“ネバネバ食材”を活用した食事
ネバネバ食材は腸内で水分をとどめ、体内の水分保持率を高めてくれます。特に朝食で取り入れることで、日中の脱水リスクを抑えることができます。
そして、水分補給の飲み物も注意する必要があります。夏はカフェインの含むものは、水分を尿として体外に出してしまうので、できる限りノンカフェインが良いです。例えば、麦茶、ルイボスティー、黒豆茶などがオススメ。冷たい緑茶やほうじ茶は夏の疲労回復に良いのですが、カフェインが含まれるため、脱水、熱中症予防にはオススメとは言い切れません。
間違っても水だけをがぶがぶ飲むことはやめましょう。熱中症対策にならないだけではなく、水中毒になってしまうことも。汗は、大量の水分とともに塩分やミネラルも体外に出ていってしまいます。そのため、水だけ飲むと体液中の水分と電解質のバランスが崩れてしまいます。お味噌汁や漬物、梅干しなど、塩分やミネラルを含むものをバランスよくとることがとても大切です。
Point3：冷却グッズの活用 ～意外なアイテムを味方に～
冷却タオルや携帯扇風機といったグッズは多くの人が使っていますが、「どう使うか」で効果は大きく変わります。
「効果があると思って冷却グッズを買ったけど、すぐに効果が無くなってしまう」そんな思いしたことはありませんか？実は、それは単体で使用したり、本当に涼しくなるポイントをつかめずに使っていたかもしれません。
では、ポイントを知って、この夏にそのせっかく買った冷却グッズを大いに活用してみようではありませんか。
●冷却タオル×風通しウェアの最強セット使い
冷却タオルは水に濡らして振るだけでひんやり感を得られますが、それだけでは効果が長続きしません。そこで、風通しのよいメッシュ素材のウェアと併用することで、汗の蒸発を促し“気化熱”による冷却が持続。
- 例：速乾メッシュTシャツ＋冷却タオル（登山・通勤に最適）
- 汗がこもりやすい背中や脇を風が通ることで、体感温度を2～3℃下げることも可能です。
●モバイル冷風機は「首から吊るす」時代へ
従来は手持ちで顔に風を当てるのが主流でしたが、体温調節中枢（体温を調節してくれる場所）に近い“うなじ”を冷やす方が、全身の体温低下に効果的です。しかし、長時間当てすぎるのは、お勧めしません。
- 首かけ式ファンを後ろ向きに装着し、うなじに風を送ると効果倍増
- ミスト機能付きファンでさらに涼感アップ
- ハッカ油を含ませたコットンをファンに添えることで天然のスースー感も
●＋α：裏ワザ
- 凍らせたペットボトルをリュックの背面に入れると“移動型冷却装置”に早変わり！
- 足首や膝裏など、血管の多い部位にスプレーすると体感冷却効果アップ
冷却グッズは“当てる場所”と“組み合わせ”を工夫することで、本来の力を最大限に発揮することができるのです。
Point４：街全体が「冷却インフラ化」する発想
個人でも、乗り越えようと努力するけど、それだけでは実は限界があります。これからは街や地域全体で熱中症を防ぐインフラが必要です。
【革新的提案】例えば、公園のベンチに冷却ジェルシートを常設したり、バス停に日陰を作るドローンの導入、歩道に自動ミスト装置を設置するなど。実際に中国・深センでは、こうした共有型の冷却インフラが既に導入されつつあります。日本でも自治体と企業の連携で実現可能な領域です。
Point５：熱中症“後”に効く食事習慣 ～疲労回復で翌日も守る～
熱中症はその場で症状が治まっても、翌日にだるさや頭痛など“残り疲労”が残ることがあります。この回復が遅れると、再び体調を崩しやすくなり悪循環に陥る可能性があります。
だから、熱中症にかかってしまってもそうでなくても、疲労回復のための体をいたわる食事をしていきましょう！むしろ、日ごろからの食事が熱中症予防の鍵となるのです。
【疲労回復に効く食事例】
●梅×たんぱく質丼：梅干しに含まれるクエン酸が疲労物質を分解し、鶏むね肉や納豆などで筋肉の修復をサポート。梅の代わりにレモン×タンパク質でもいいでしょう。
●具だくさん味噌汁：豆腐、わかめ、なめこなどの具材からナトリウム、カリウム、マグネシウムを効率よく補給可能。
食事は単なる栄養補給ではなく、熱中症からの回復と翌日の体調維持において重要な役割を果たします。
まとめ
もはや“暑さをしのぐ”だけの時代は終わりました。2025年の熱中症対策は、「冷やす」「守る」だけでなく「回復する」視点が不可欠です。
もちろんですが、節約のためにエアコン使わないというのは、危険すぎます。節約したいなら、適切にエアコンを使い、節約は他で補うことです。体調を崩してしまう方が医療費の出費が増え、むしろ節約から遠のいてしまいます。
日常の食事から室内環境の工夫、そして社会全体での冷却インフラ整備まで。個人の工夫と地域の取り組みが融合した「未来型の熱中症対策」が、これからの夏を生き抜くカギとなるでしょう。
