現在の稲作、コメ不足の現状

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日本の主食と言えば、お米ですね。

近年、ファーストフードやパン、麺類と食の欧米化が進んで、小麦を食にする機会も多くなりました。その為、米の消費も少なくなってきている問題があります。しかし、現在、日本の米不足と米の価格高騰が出てきています。今のままでは、日本の伝統的な米の主食生活から、小麦を中心とした食生活に変わらずをえない状況になってきています。これは、日本の伝統や日本人の健康にも、深刻な問題となります。

この記事では、そんな深刻な問題となっている日本の稲作の現状、食生活を見ていきたいと思います。

 

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1.日本の稲作の歴史

日本の稲作は、最新の研究では6000年前には陸稲¹に栽培がおこなわれていました。約3000年前の縄文時代晩期には水田稲作が始まっていたと考えられています。縄文時代中期には北部九州で稲作が始まり、そこから約600年かけて本州全域に広まったとされています。長い年月をかけて、日本には稲作の伝統文化が作られてきました。

時代ごとの稲作

縄文時代  → 狩猟・採集が中心だったが、稲作が徐々に導入される。(定住生活が1700年間も、一つの集落でおこなわれていたことが、三内丸山遺跡から証明されている²)

弥生時代 → 水田耕作が本格化し、社会構造が変化。

古墳時代~平安時代 → 稲作が広く普及し、税として米が徴収される。(国民一人一人に重い税がかかされる。)

室町~江戸時代 → 商業化が進み、米が経済の中心に。

明治時代以降 → 近代化により農業技術が発展し、機械化が進む。

¹陸稲(りくとう)とは…
水田ではなく、畑で栽培する稲の作物の事。水稲に比べて、収穫や食味が劣るが、育成が簡単で、家庭菜園でも栽培できます。
²三内丸山遺跡…
青森県に存在する日本を代表する、3大遺跡のひとつです。平成4年(1992年)から始まった発掘調査で、縄文時代前期~中期(紀元前約3900年~2200年、現在から約5900年~4200年前)の大規模な集落跡が見つかりました。沢山の竪穴建物跡や掘立柱建物跡、盛土、大人や子どもの墓、多量の土器や武器、貴重な木製品、骨角製品などが出土しました。

2.現在の稲作の現状

現在は、農業を手放し、農業離れになってきています。

なぜ、農業離れになり、米不足になってくるのか、現在の稲作の現状をみていきます。

作付面積の減少

収穫量の減少

減反政策: 1971年から始まった減反政策により、米の生産量が徐々に削減されてきました。ピーク時には約1,447万トンの生産量がありましたが、現在では約半分にまで減少しています。

減反政策とは…
米の生産調整政策のことで、1970年代に食生活の変化や人口減少により米の消費量が減少しました。その結果、米の供給過剰が問題となったため、政府が農家に対して米の作付けを減らすように求めた政策です。
減反政策では、政府が農家に補助金を支給し、米の作付けを減らすように促しました。農家は水田を転作(別の作物に変更)することで補助を受けられました。
2018年に減反政策は廃止され、農家は自由に米を生産できるようになりました。しかし、消費量の減少や気候変動の影響もあり、米の供給は引き続き課題となっています。

猛暑による品質低下: 2024年の猛暑の影響で、米の品質が低下

→一等米の比率が平年より約15%も下がる

→品質が悪いと市場に出回る量が減るため、結果的に供給不足に。

・異常気象や高温の影響で、米の生育環境が悪化し、収穫量が減少も。

少子高齢化と後継者不足:農業従事者の高齢化が進み、若い世代の農業離れが深刻化。

→後継者がいないため、農地が放棄されるケースが増えている

食生活の変化:パンやパスタなどの選択肢が増え、米の消費量が減少。

→米の需要が低下し、生産量も減少

→現在の米不足に影響

ざっとあげると、さまざまな理由があり、複雑に絡み合っていることが分かります。

 

 

3.日本人ならではの、米の食生活の重要性

米は栄養価が高く、バランスの取れた食事に欠かせない食材です。日本の食文化において重要な役割を果たしてきた米には、健康に良い効果がいくつもあります。

米を食べることの健康効果

1.エネルギー源として優秀
米は炭水化物の豊富な供給源で、体の主要なエネルギー源となります。特に白米は消化
がよく、すぐにエネルギーに変わります。2.血糖値の安定
玄米や雑穀米は食物繊維が豊富で、血糖値の急激な上昇を抑えるため、糖尿病予防に役
立ちます。

3.腸内環境の改善
玄米には食物繊維が含まれており、腸内の善玉菌を増やすことで腸内環境を整え、便秘
の予防に効果的です。

4.栄養バランスの向上
米にはビタミンB群(特にB1)が含まれており、疲労回復やストレス軽減に貢献しま
す。ミネラル(マグネシウム・鉄分)も含まれているため、体調管理に役立ちます。

5.脂質が少なくヘルシー
米は脂質が少なく、消化に良いため、胃腸への負担が軽減されます。ダイエット中でも
適量の米を食べることで、健康的に栄養を摂ることができます。

以上のように、米を主食としてきた日本人は、昔は糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病が存在していませんでした。

4.ファーストフードや小麦の弊害

食の欧米化が進み、ファーストフードや小麦を取り入れることが増えてから、日本人の体質は、食の変化に対応しきれず、生活習慣病を初め、がんなどの疾患が増えてきました。
その理由は、以下のものです。

小麦の弊害

1.グルテンによる消化不良
 小麦に含まれるグルテンは消化されにくく、一部の人では腸の炎症を引き起こすことがあ
 ります。特にセリアック病やグルテン過敏症の人は、小麦を摂取すると腹痛や下痢などの
 症状が出ることがあります。

2.血糖値の急上昇
 精製された小麦粉は血糖値を急激に上昇させるため、糖尿病のリスクを高める可能性があ
 ります。白いパンやパスタなどは特に血糖値を上げやすい食品とされています。

3.肥満の原因
 小麦に含まれるグリアジンという成分は食欲を増進させる作用があり、過剰摂取すると肥
 満につながる可能性があります。

4.腸内環境の悪化
 小麦粉は腸内の悪玉菌の餌になりやすく、腸内フローラのバランスを崩すことがありま
 す。これにより、便秘や肌荒れの原因になることもあります。

5.アレルギーの増加
 小麦を含む加工食品を頻繁に摂取することでアレルギー反応が出ることがあります。

見ていただいて分かるように、糖尿病、肥満、脂質異常症、脳血管疾患、心血管疾患などの原因となっていることが分かります。
また、最近は、小麦アレルギーの人が増加しています。その原因も、やはり小麦を使った食品が増えたからといっても過言ではありません。

5.日本人の健康を守るために

米を主食にした和食が、長年の稲作文化から日本人の体質に合い、健康をもたらします。そして、生活習慣病を予防するには、どうすればいいのか。
それは、「米を主食にした和食」に戻していく必要性があります。
しかし、現在では米の収穫量の低下や米の高騰によって、米離れは増していき、ますます生活習慣病が増えるでしょう。
日本人の健康を守るために、
稲作をする人々の支援をしていく必要があるのではないかと思うのです。それは、稲作は、農機具や稲代の含め、出費は膨大になります。しかし、収入は低くなるので農家離れしているのが現状です。そこを、食い止めることが必要です。
そして、国民一人一人が、ファーストフードや小麦の弊害を理解して、和食に戻す意識が必要です。便利でおいしいものには、少なくとも健康リスクは高まります。それを意識することか大切です。
自分たちの健康を自ら守り、そして人々のこれからの人生が豊かなものとなるよう、願うばかりです。

 

 

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