施設側スタッフと、有料老人ホーム入居者とのトラブルはよくありますが、 有料老人ホーム入居者同士にどんな問題があるか、お話をいたします。有料老人ホームでは課長が入居者サービスを統括しています。 こうした立場になると、当然、入居者同士のさまざななトラブルに介入し、 それを調停しなければならないのです。
老人ホームでは入居者のトラブルは日常茶飯事
もっともありふれているのが、「いじめ」です。 大きな大食堂を完備している有料老人ホームがほとんどですが、この大食堂が、 「いじめ」の舞台になることが多いです。ある特定の人だけ無視する。出会っても目をそらす。挨拶しない。すれ違いざまに、「死ね!」とか「あほ!」「ばか!」と吐き捨てる。 このような悪意のある老人もいるということです。高齢になることでますます理性の歯止めが利かなくなってきているのかもしれません。いじめ問題もまた老人ホームの深刻な課題です。
有料老人ホームにひそむ悪
言った言わないになると「そんなこと絶対に言ってません」としらをきりとおす。これが非常に多いパターンです。 こうした「いじめ」に耐え切れず、せっかく良い条件で入居したにもかかわらず、 退去するケースも実際にあるのです。いじめている方が出ていくことがまずないのは、小学生や中学生のいじめでも、 いじめっ子は絶対に学校を出ていくことはないのと同じですね。有料老人ホームの中には、こういった問題の解決に特に力を入れている ところもあるので、検討の際には、必ずこのような問題に対する 対処の仕方を質問するようにしてみてください。
有料老人ホームの研究発表
有料老人ホームの経営者の中には、入居者の満足や安心よりも、 経営のほうを重視していたり、学術的な研究活動に精を出しているトップも 多いことを知って頂く必要があります。ある有名な有料老人ホームでは、経営トップの人が、 学術研究ばかりに凝っていて、経営する施設に研究発表ばかりさせています。 この有料老人ホームのでは、入居者の安心や幸せのための活動よりも、 とにかく研究発表ありきで、スタッフの多くが、その研究発表の 資料づくりのために日常業務がこなせず、疲弊しています。そもそも有料老人ホームの介護職そのものがハードワークであり、 その上に研究発表資料やデータ作成する余裕があるはずがないのです。 そんな余裕があれば少しでも入居者とのかかわりの時間を 増やしたいのが有料老人ホームのスタッフの本音です。この有料老人ホームは経営する数か所の施設を研究発表で競わせています。 施設の中でも部門や部署、グループごとに区分けして研究発表活動をさせるのです。 多くのスタッフは、この研究発表のために残業を繰り返し、とても疲弊しています。 このような状況で、入居する高齢者のためになる介護や業務が 本当に可能なのか疑問が残ります。
有料老人ホームが研究
研究発表のネタにされる入居者もたまりません。 私はモルモットなのかと言いたくもなります。何よりも、スタッフの対応や仕事が、 実は研究データをとるための、仕掛けにもとづく行動であって、 自分たちはデータを取られていたのだと思うと、スタッフに誠意も感じられなくなります。どんな有料老人ホームの施設が研究発表ばかりに精を出しているかを 調べる方法は簡単です。介護関係の研究会や学会の論文は、 インターネット上でも調べられますので、その発表回数が異常なくらい目立つところや 多すぎる印象がある施設は、こうした傾向がある施設の可能性があります。 有料老人ホームの入居を決める前には、経営者にそれとなく聞いてみることです。 自慢げに、「うちは研究活動にも力を入れておりまして」などと しゃべりだすようなら、そこの施設はよくよく検討してからにした方が、 良いかもしれません。 本当に誠実な有料老人ホーム施設は、スタッフに負担をかけたり、 ましてや過剰な残業で疲弊させてまで、 研究発表にうつつを抜かしたりしないものです。 そして、こうした考えは、有料老人ホームの現場で働く介護職員共通のものです。 有料老人ホーム経営者の趣味道楽あるいは名誉欲、自己顕示欲に ふりまわされているとスタッフの多くは思いながら、 いやいや研究活動をさせられているのです。
有料老人ホームの入居者同士のいじめ問題
有料老人ホームや介護老人保健施設で、しばしば、いじめが問題になります。 有料老人ホームの場合は、食堂で複数の入居者が顔をあわす環境でおきやすいです。無視や罵倒などの嫌がらせがみられます。無視は、目をそらす、 挨拶されても返事しないなど。罵倒は、すれ違いざまに、相手の悪口を言う、 バカ、死ねなどの罵詈雑言を吐き捨てるなど。
いじめは有料老人ホームで頻発するが施設運営者の手腕次第
有料老人ホームのスタッフは、こうした『いじめ』などの人権侵害が おきないように、注意を怠らないように教育されています。しかし、いじめ問題で有料老人ホームのスタッフが、該当者と面談しても、 多くの場合「私はそんなこと言ってない」とシラを切ります。このため、問題解決に苦労することが多いのです。食堂に来る時間をずらしたり、 食堂が複数ある場合は別の食堂に変えたりなどの対策がとられます。 また、道徳を高めるように施設の雰囲気を工夫することも重要です。殺伐とした雰囲気が消え去り人情あふれる日常を作り出す施設運営者側の手腕によるところなのです。
有料老人ホームのスタッフの役割はいじめ解決に重要
良い歳をしたお年寄りが、孫に恥じるようないじめ行為を良くやるなと思います。 しかし、他人をいじめて平気な老人とは、子供も孫もいない孤独な人であったり、 身内がいても長年にわたって不和で寂しい日々を過ごしていたり、何か精神面で 満たされていない人が多いように思います。こうした、いわば癒しを必要とする老人に癒しをもたらすことも、 有料老人ホームのスタッフの役割なのです。 介護者にしっかりと傾聴してもらい、理解されることで、問題行動をしなくなる高齢者も多いのです。
いじめ解決は老人ホームのスタッフの気配り次第
スタッフとの交流を通して癒され、いじめ行為がなくなったケースも多々ありました。 有料老人ホームを選択する場合、こうした「いじめ」問題にどのように 対処しているのかを十分に質問してみるようにしましょう。介護職の細やかな気配りで、いじめを未然に防いだり、いじめを解決したケースもしばしば見聞します。特に施設の管理をする施設長の管理能力にも大きく左右されます。優秀な施設長が運営している有料老人ホームでは、いじめ類似の事件はほとんど見られないものです。施設長の手腕は有料老人ホームに暮らすすべての高齢者の人生を大きく左右するといえるのです。