介護できないから老人ホームに

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高齢の両親と同居するその子供たちは、親が脳梗塞あるいは認知症になると、介護の苦しみを背負うことになります。歩きながらも尿を漏らしたり、風呂場で脱糞してしまうなどの排泄の失調が、家の中に尿臭や便臭をただよわせ、家人はこれに苦しむことになります。認知症が進むとさらに困難が生じます。

認知症の介護

要介護度Ⅰという程度であっても、認知症の場合は、暴力を振るうなどの問題があります。麻痺などがなく、自分が動ける場合は、要介護度は高く認定されませんが、認知症から来る易怒性つまり、すぐにキレる、すぐに暴力を振るう、という問題が出てきます。怒ると、コップなどを投げつけたり、冷蔵庫などを蹴っ飛ばしたり、さらにひどい場合は、殴りかかってくることもあります。このようになると、もう、家族では面倒が見れません。やはり、専門家に頼むほかなくなります。医療機関への受診により、内服薬などが処方されても、服薬をきちんと守らないことも多く、治療の効果も半減します。

介護付き有料老人ホームのメリット

こうした家族ができない介護のさまざまな側面を介護職員が、家族になりかわって、こなしてくれるのが、介護付き有料老人ホームのありがたいところなのです。介護付き有料老人ホームの場合、古くから運営している大手であれば、介護ノウハウは確立され、職員教育もしっかりしているところが多いので、こうした施設に、まだ認知症が軽度のうちに、早めに入所させることが、家族を守ることにもなります。高齢の両親を施設に入れてしまうことに、後ろめたさを感じるあまり、ギリギリまで家で介護しようとする人もいますが、その結果、かえって認知症が進み、症状が悪化する場合もあるのです。やはり、早くから対処するほうが結果的に高齢者のためにもなるのです。認知症がいかに恐ろしいものか、ということです。私達は若いうちから認知症にならないためのあらゆる手を尽くすべきだといえます。禁煙する、酒をやめる、運動する、読書をする、食べ物に気をつける、といったできる限りの努力を尽くせば、有料老人ホームに入らず家庭で天寿をまっとうできる可能性は高まります。

サービス付き高齢者向け住宅にほどほど志向が

東京の足立区にあるサービス付き高齢者向け住宅、「銀木犀(ぎんもくせい)」は、その一角に駄菓子屋を設置しています。そこには、近所の子供たちが駄菓子を買いにきます。毎日午後三時から五時までオープンしているこの駄菓子屋の店番は、この施設の入居者です。この店番が良いリハビリになり、要介護度が改善するというのです。銀木犀の食堂は、外部にも開放されています。本棚があり、図書館のようです。月に14万円ほどで利用できるこのようなサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームが次第に注目されてきています。銀木犀は入居時には敷金、礼金、手数料などもかかりません。自立支援だけにケアを集中させることで、自由で温かみがあり、値段も安い施設は魅力的です。サービス付き高齢者向け住宅の場合、介護サービスを外部委託している形式です。賃貸住宅としてのサービスなので入居一時金などもかからないのです。国からの建設補助金が出るので、すでに18万戸が、設立されています。有料老人ホームの場合は、入居金が高くて高額ですが、これは充実したサービスをしているためです。設備もよく、施設の数は9500施設ほど日本に存在しています。

サービス付き高齢者向け住宅に工夫された施設が増えて

千葉県松戸市のイハナハウスは、朝夕食事サービスを利用しても月額20万円ぐらいで生活できます。普通のマンションのような構造になっているのでプライベートも守られています。困った時には24時間体制でサポートしてくれます。イハナハウスも入居一時金は不要です。高いお金を払わなくても、それなりの価格で健康状態に見合うサービスを受けて、自立した生活をする道があるということです。東京都板橋区の「ゆいまーる高島平」は月額13万円ほどです。ここは、都市再生機構の団地を高齢者住宅として再生しているのです。大阪府大阪市の「グルメ杵屋社会貢献大領の家」は12万円ほどです。陶芸教室、ネイルケアなどカルチャー面で充実しています。大阪府豊中市の「シュールメゾンポプラ千里園」は、社会福祉法人「池田さつき会」が運営していて、月額12.5万円ほどです。神奈川県秦野市の「リーフェスコートあじさいの丘Ⅱ」は11万円ほどの月額利用が可能です。兵庫県西宮市の「チャーム西宮用海町」は、14万円ほどの月額利用ができます。このように全国にある、サービス付き高齢者向け住宅が、価格が安価で、設備もほどほどのサービスの良さを備えているので選ばれるようになってきているのです。有料老人ホームにはもちろんその良さがありますが、選択の幅が広がっていることはとても良いことです。

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