認知症はアルツハイマー病、レビー小体型認知症などがあります。 有料老人ホームに入居する理由のひとつに認知症の進行があります。 介護をいつでも受けることができるほうが認知症の場合、安全です。レビー小体型認知症は認知症全体の約20%ですが、 本格的な症状を発症する前から、体や心の変調が出てきます。 存在しないものが見える幻視や妄想がみられます。60代以降でレビー小体型認知症が増えます。 本格的な認知症が出る前から、体の硬さや パーキンソン病のような歩行障害が出ることもあります。
有料老人ホームの認知症対応
レビー小体型認知症は神経細胞にレビー小体というタンパクが蓄積しておこります。 初期に、レム睡眠行動障害もみられることがあり早期発見を助けます。 これは夢の内容どおりに体が動いたり声を発する「寝ぼけ」の状態です。認知症初期段階の高齢者へのケアを検討する 専門家チームを順次、全市町村に設置すると厚生労働省が発表しました。 早期のケアで悪化を防ぐことで高齢者の症状が悪化する前に 進行を遅らせて、精神科病院に長期入院するケースを減らそうというのです。しかし、精神症状が起こって、精神科外来を受診できない状態になっている 認知症の高齢者に対し、訪問支援をどこまで行えるかどうかはまだ研究段階です。 有料老人ホームの存在意義がこれからますます重要視されてくることでしょう。
有料老人ホームで職員刺傷など事件が増えている
特別養護老人ホームの施設長が、退去の話し合いの最中に、入居者に暴行される事件が兵庫県でありました。こういった事件は 今後、増加すると思われます。篠山市高屋の特別養護老人ホーム「和寿園」で事件が起こりました。75歳の入居者が施設長に暴行したのです。万一に備えて、屈強な職員を 待機させながら退去の話をしなければならない時代になりました。暴行事件を起こした問題の入居者は日ごろから、職員の指示に従わず、繰り返し無断外泊する問題児だったようです。このため、施設側が退去を求めると怒り出し暴行事件となったのです。また、大阪府の有料老人ホームで女性職員が入居者に刺傷される 暴行事件もありました。犯人は87歳の男です。 軽度の認知症があったようです。こうなると安心して介護の仕事ができません。事件は、泉佐野市内の有料老人ホームの玄関ホールで果物ナイフで女性職員のほおを突き刺したというものです。
有料老人ホームの事件
介護の仕事もこうなると命がけです。この87歳の男性がホールでふらついたので、女性職員が支えてあげたのです。その職員にむかってナイフで襲い掛かったのです。女性職員は顔面の大けがをして病院に入院しました。暴行の動機は、老人ホームを出されると思ったからだそうで、退去させられる恐怖などが引き金になったようです。しかし、これは男性の勘違いであり、そのうえ、軽度の認知症の疑いがあり、被害妄想があった可能性もあります。最近は、ノロウイルスが高齢者施設で猛威を振るっています。 和歌山県の那智勝浦の老人ホームの入居者10人がノロウイルス感染の症状を発症したニュースがありました。ノロウイルスはどこにでもいるので、完全に防止するのもたいへんなことです。那智勝浦町二河の有料老人ホーム「ひだまり湯川」でのノロウイルス感染でした。男女10人が、発熱や下痢などの症状となり、患者や調理員からノロウイルスが検出されたことで判明しました。全国で同様の報告があがっていますが、施設の運営は本当にたいへんです。
危険な有料老人ホームの特徴
そもそも、有料老人ホームとは、高額な入居金を払って、入居権を購入し、 そこに入居するものです。 そして多くの場合は、入居金以外に、毎月の管理費、 食費などを別途支払いながら、居住します。金額は、施設によって違いますが、おおむね中級クラスで 入居金が2000万円から3000万円、毎月の管理費10万円から15万円 というのが平均クラスです。そしてこの金額が重要であり、これよりも安くなればなるだけ、 「安かろう、悪かろう」になっている傾向は、否めません。 もちろん経営工夫を重ねて安くてもサービスが充実しているところもあります。一方、これよりも高いところは、より環境やサービスを 「充実」させることで差別化をはかっているのです。