江戸時代と現代の野菜はどう違う?旬・品種・食べ方から見える食文化の変化

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何気なく日ごろから食べている野菜。その野菜は、ずっと昔から日本にあったものだろうか、と考えたことはありますか?

今、私たちが当たり前に食べている野菜の多くは、実は江戸時代にはなかったもののようです。

トマトやレタスはいつから食べられるようになった?江戸の人が好んだ野菜とは?

現代と江戸、それぞれの時代の野菜事情を比較しながら、食文化の変化を紐解きます。


1. 江戸時代の野菜事情:旬と自給がすべて

江戸時代の野菜は、流通が未発達だったため基本的に地元で採れるものが中心。四季の移り変わりに応じた「旬」を大切にし、保存食としての干し野菜や漬物も重宝されていました。栽培も人力に頼り、品種改良などの技術は未発達でした。

代表的な江戸時代の野菜

  • 大根(練馬大根)……漬物や煮物、干し大根として利用。大根は、弥生時代に日本へ伝わったとされています。もともとは地中海や中東が原産で、紀元前2500年頃には古代エジプトで食べられていた記録があります。その後、ヨーロッパやアジアへ広まり、日本では室町時代には一般的に栽培されていたようです。
  • 小松菜……江戸中期に命名、味噌汁や菜飯に。小松菜は江戸時代初期に現在の東京都江戸川区小松川付近で栽培され始めたとされています。もともとは「ククタチナ(茎立ち)」という野菜を品種改良したものだそうです。
  • 里芋……煮物、汁物に使用。里芋は、日本では縄文時代から食べられていたと考えられています。もともとは東南アジアが原産で、日本には中国や朝鮮半島を経由して伝わったとされています。
  • 牛蒡(ごぼう)……精進料理に欠かせない根菜。日本では、平安時代(794~1185年)頃から食用として栽培され始めたとされています。もともとは薬草として中国から伝わり、後に食材として広まったようです。
  • 南瓜(かぼちゃ)……長期保存できる栄養源。かぼちゃは、中南米が原産で、紀元前7000~5500年頃のメキシコの洞窟から種が発見されており、非常に古くから栽培されていたと考えられています。日本には16世紀にポルトガル船によって九州に伝えられました。その後、19世紀にはアメリカから西洋カボチャが持ち込まれ、現在のホクホクした品種が広まったそうです。主に土の中で育つ野菜は、はるか昔から日本で食べられていたのですね。

2. 現代の野菜事情:通年流通と多品種時代

現代では冷蔵技術、輸入、ハウス栽培などの発達により、ほとんどの野菜が年中手に入るようになりました。品種改良が進み、甘さや食感、栄養価などに優れたブランド野菜が登場しました。さらに、海外原産の野菜も一般化し、食卓は多国籍に。

江戸にはなかった現代野菜

  • トマト……江戸期は観賞用。明治以降に食用化
  • ジャガイモ……江戸後期に伝来、普及は明治以降
  • ブロッコリー……昭和期に普及
  • レタス……明治期に導入、生食文化とともに定着
  • ピーマン・パプリカ……戦後に広まった南米原産野菜

3. 比較チャート:江戸と現代の野菜のちがい

観点 江戸時代 現代
流通 地産地消 全国・海外から流通
品種 在来種中心 品種改良・ブランド野菜が多い
栽培方法 露地栽培のみ ハウス・水耕・機械化
食べ方 加熱中心(煮物・汁物) 生食・加工食品など多様化
保存方法 漬物・干し野菜 冷蔵・冷凍・真空パックなど

4. まとめ:江戸の野菜文化は「質素だが豊か」

江戸時代の野菜文化は、季節の巡りに寄り添い、保存や活用の知恵が凝縮されたものでした。

現代は便利で多様な野菜を楽しめる一方、旬や土地とのつながりが薄れがちになっています。

今一度、昔ながらの野菜の楽しみ方に目を向けてみてはいかがでしょうか。

四毒抜き健康法で知られる吉野敏明歯学博士は、縄文時代から江戸時代までの日本人が食べていた食材を主に食べることが万病の予防と治癒につながると動画配信で繰り返し発信しています。

現代の日本人が食べている野菜は、本来の日本人の食べ物ではないため、問題もあるようです。

例えば、トマトは、体を冷やすので女性の健康にはあまり適さないなど。

だとすると、江戸時代の人が食べていた野菜を中心にする食生活のほうが健康によいのかもしれません。

 

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