聞こえにくい日、なんだか頭もぼんやりする——それ、つながっているかもしれません
「最近、人の声が聞き取りにくいだけでなく、思考もまとまらない」
「聞き返すことが増えて恥ずかしく、会話がしんどい」
そんな経験、ありませんか?そんな日は、精神的にも体力的にもしんどくなりますよね。
実はそれ、“ブレインフォグ”と“感音性難聴”の関係性が鍵になっているかもしれません。
この記事では、両者がどう関係しているのか、そして日常でできる対策までわかりやすく解説します。
感音性難聴とは?簡単な仕組みと症状
感音性難聴は、内耳や聴神経など「音を脳に伝える部分」に問題があることで起こります。
- 音は聞こえるが「何を言っているか分からない」
- 周囲の雑音にまぎれて言葉が聞き取れない
- 特定の高い音や小さな声が聞こえにくい
このタイプの難聴は高齢者だけでなく、ストレスや薬剤、突発性の要因でも若年層に見られることがあります。
「音が聞こえているのに何言っているか分からない」や「聞き取れている時と聞き取れていない時とがある」ことは、自分自身も混乱しやすくなり、他者からの立場で「聞こえている?分かっている?」と困惑させてしまうこともあり、精神的に強い負担がかかることもあります。
ブレインフォグとは?“脳のもや”の正体
ブレインフォグとは、「脳のもや」「集中力の低下」「思考の鈍さ」など、認知機能の一時的な低下状態を指します。
- 集中できない、物忘れが増える
- 思考のスピードが遅く感じる
- 寝ても疲れが取れない
原因としては、睡眠不足、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、炎症、さらにはコロナ後遺症などが挙げられます。
感音性難聴とブレインフォグの関係
では、感音性難聴とブレインフォグ、一見無関係に思える「耳」と「脳の働き」ですが、実は密接につながっています。
聞こえにくい=脳が音を理解するために“余計な労力”を使う ➡脳の疲労 ➡結果、他の脳の働き(記憶、集中、判断)が一時的に落ちる
特に会話では、言葉を“推測”しながら理解しようとするため、脳に大きな負担がかかります。その負荷が続くと、いわゆる「脳の疲労」となり、ブレインフォグの症状が現れやすくなります。
脳の「聴覚処理負荷」がもたらす影響
聴覚障害のある人は、正常な聴力の人よりも、言葉の意味を理解するのにより多くの脳資源を使うことが脳画像研究で明らかになっています。
この“脳の過労”が、以下のような認知的影響を及ぼします:
- ワーキングメモリ(作業記憶)の低下
- 認知処理速度の鈍化
- 多重タスク処理の困難
難聴が引き起こす社会的ストレスとその波及
難聴により会話や会議への参加が億劫になると、人との関わりが減少し、孤立・疎外感が生まれやすくなります。この“社会的ストレス”はうつ傾向や不安感を増幅させ、結果としてブレインフォグの一因となる「認知的な曇り」を悪化させます。
疲労の蓄積による“聴覚疲労”
難聴者は、聞こえにくい音を補うために全神経を集中させるため、短時間の会話でも非常に疲れやすくなります。この“聴覚疲労”は、体全体の疲労感、さらには脳疲労へと直結し、結果的に記憶力・判断力の低下を伴うブレインフォグにつながります。
気候の変化が感音性難聴・ブレインフォグに与える影響
季節の変わり目、朝晩と気温の変化が激しい日が続く、梅雨の時期は特に聞こえや体調が悪くなりやすい人も多いと思います。気温や気圧、湿度といった気象要因は、感音性難聴やブレインフォグに少なからず影響を与えます。
気圧変動と内耳の関係
- 急激な気圧低下は内耳のリンパ液の圧力バランスを乱し、耳の閉塞感や難聴症状を誘発することがあります。
- 特に台風や低気圧接近時に「耳が詰まる」「聞こえが悪い」と感じる人は要注意です。
自律神経の乱れによる脳機能への影響
- 気温差や湿度の上下は、自律神経のバランスを崩しやすく、血流やホルモンに影響を与えます。
- これが脳の酸素供給や神経伝達を一時的に鈍らせ、ブレインフォグ(ぼんやり感)を引き起こす要因となります。
季節の変わり目はリスク増
- 春や秋など、寒暖差や気圧の変化が激しい季節には、両方の症状が同時に出やすくなります。
- 花粉やアレルギーによる炎症反応が加わると、さらに体調が不安定になります。
日々の天気と自分の症状を記録することで、「気象要因との相関」を把握しやすくなります。天気アプリや気圧予測アプリを活用しましょう。
こんなときは注意:両方の症状が重なるときのサイン
- 聞こえにくく、何度も聞き返してしまう
- 会話に集中できず、すぐに疲れる
- 頭がぼーっとして判断ミスが増える
- 疲れていないのに常に眠気を感じる
これらの症状が重なっている場合、感音性難聴とブレインフォグが連動している可能性が高いです。
日常でできる対処法
症状 | 対策例 |
---|---|
会話の疲れ | 補聴器や集音器の検討。静かな場所を選ぶ |
ブレインフォグ | 朝の散歩、カフェインの適量摂取、スマホ制限 |
気候の影響 | 気圧アプリで事前に体調管理。体調記録をつける |
栄養・生活習慣 | ビタミンB群・鉄・マグネシウムの補給、十分な睡眠 |
また、「聞こえづらさを我慢しない」「疲れたら早めに休む」など、自分に優しい習慣も大切です。
まとめ:聞こえにくさは「脳の疲れ」にもつながる
感音性難聴は、単に耳の問題ではなく、脳の働き全体に影響する可能性があります。また、気象の変化も体調に強く関係しており、無視できない要因です。
聞こえにくさ→脳の疲労→ブレインフォグという流れを理解し、自分を責めず、環境や習慣を見直すことが改善への第一歩です。
困ったときは、耳鼻科や神経内科への相談も検討しましょう。