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介護現場あるあるから読み解く、人間関係のすれ違いと解消法

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介護現場で働く皆さん、日々の業務、本当にお疲れ様です。

命を預かる責任の重い仕事であると同時に、スタッフ同士のチームワークが何よりも重要になるのが介護の仕事ですよね。

しかし、多忙な毎日の中で、ちょっとした誤解やコミュニケーション不足から、職場の人間関係がギクシャクしてしまうことも少なくないのではないでしょうか。

そこから、介護の仕事もしんどくなってしまうなんてこともあります。

今回は、そんな介護現場特有のすれ違いを紐解き、より良い人間関係を築くためのヒントを、介護士として働いている立場からいくつかお伝えしたいと思います。

 

なぜ、介護現場ではすれ違いが起こりやすいのか?

まず、介護現場でのすれ違いが起こりやすい原因から考えていくことにしますね。

介護の仕事は、一日の流れが予測しづらく、常に状況が変化します。そのため、個々の職員がそれぞれ臨機応変に対応することが求められます。

しかし、この「臨機応変」が、すれ違いの元になることがあります。

  • 情報共有の難しさ: 忙しい中で、利用者さんの些細な変化や対応の変更を伝えきれなかったり、「言ったつもり」「聞いたつもり」になってしまうことがあります。
  • 価値観やケア方法の違い: 介護に対する考え方や、利用者さんへの接し方は人それぞれ違います。「自分はこう思うのに、あの人は違うやり方をする」という違和感が、不満に繋がることがあります。
  • 仕事内容の違い:介護現場は24時間360日、常に利用者さんと関わります。そのため、早出・日勤・遅出・夜勤があり、仕事内容も微妙に異なってくることがあります。また、時間帯によって、それぞれ負担や事柄は異なってきます。それぞれが、理解しあわないとすれ違いが起きやすいといえます。
  • 時間的・精神的余裕のなさ: 業務に追われ、心に余裕がないと、他者の言動をネガティブに捉えてしまったり、きつい言い方になってしまうことがあります。

このように、ひとりひとり考えながら行動をせざるを得ない環境であり、心身ともに消耗しやすい状況下にあるといえます。

すれ違いが起きてしまうと、「思ったように動いてくれない」「なんで?」と、イライラしやすくなるものです。また、自分のやり方を押し付けてしまう人もいます。

しかし、人はそれぞれ違い、一生懸命考えながら仕事していること。そのことをお互い理解しながら働かないと、チームワークがうまく取れなくなります。

だからと、誰も責めることはありません。自分自身も責める必要もないのです。これからを変えていけばいいのです。

チームワークをうまく取り、良好な人間関係を築くことは、私たち職員だけではなくて、利用者さんまでより良い影響を与えます。そのために、これから4つのヒントをお伝えします。

 

良好な人間関係を築くための4つのヒント

 

1. 報告・連絡・相談(報連相)は「プラスワン」を意識する

 

基本的なことですが、介護現場での報連相は、利用者さんの安全を守る上で欠かせません。この報連相を、さらに一歩進めてみましょう。

  • 「事実」だけでなく「なぜそうしたか」を伝える: 例えば、「〇〇さんが今日は食事を残しました」だけだと「え、あ、そうなのね。」だけで終わってしまいます。そうではなく、「体調が悪そうだったので、少し時間を置いてから再度お声がけしてみたのですが、やはり食欲がなかったようです」と、自分の判断や試みを付け加えることで、相手は状況をより深く理解できます。そして、それが体調の変化の早期発見につながります。

 

  • 「報連相のついでに、一言プラス」: 忙しい合間でも、「さっきは手伝ってくれてありがとう」「あの時、〇〇さんに優しく話しかけてたね、素敵だったよ」といった感謝や称賛の言葉を添えるだけで、職場の雰囲気はぐっと良くなります。

このプラスワンの言葉は、相手も周りも心地よくなります。そして、自然とニコニコ笑顔になるはずですよ。(*’▽’)

 

2. 相手の「仕事の背景」に想像力を働かせる

 

人は、自分の知らないところで動いている相手の状況を、ネガティブに想像しがちです。

「なぜあの時、手伝ってくれなかったんだろう?」と感じた時、少し立ち止まって考えてみましょう。もしかしたら、その職員はあなたが知らないところで、緊急の対応に追われていたのかもしれません。

直接本人に聞くのが一番ですが、まずは「もしかしたら何かあったのかも」と、相手の状況に思いを馳せることで、不必要な不満や苛立ちを抑えることができます。

この相手の立場に立った考えは、良好な人間関係には必要不可欠で、とっても大切なことです。

 

3. 自分の意見を伝えるときは「アイ(I)メッセージ」を使う

 

何か意見を言いたい時、「〇〇さんはいつもこうだよね」と相手を主語にしてしまうと、相手は責められていると感じてしまいます。

そうではなく、「私は~だと感じた」「私は~してほしいと思う」のように、自分を主語にして話す「アイメッセージ」を意識してみましょう。

  • 「そのやり方、違うよ」
    • →「利用者さんが転倒しないか、私は少し心配になりました
  • 「ちゃんと情報共有してよ」
    • →「情報がなくて困ってしまったので、今後は教えてもらえると助かります

このように伝えることで、相手は意見を受け入れやすくなり、建設的な話し合いに繋がりやすくなります。

どれほど正論だとしても、相手から言われて嫌なことは、誰でも受け入れられなくなります。良好な人間関係を築きたいと思うなら、イライラせずに、アイメッセージを意識した柔らかい言葉に変換しましょう。

私のオススメは、「自分のさっき言った言葉は、もしも自分に言われた時に嫌な気持ちにならないか」と振り返ることです。ぜひ、試してみてください。

言葉を選ぶだけで、人間関係ははるかに良くなりますよ。

 

4.人の出来ていないところ探しではなく、良いところ探しをする。

 

完璧な人は、どこにもいません。人それぞれ、良いところと苦手なところが出てくるはずです。ところが、介護の現場でよくあるのは、「何回いっても、出来ていない」「あれも出来ていない、これもダメ」と、出来ていないところを必死に探しては指摘してくる人が多いものです。

一緒に仕事していると焦ってきたり良い思いにならなかったり、「また言われるかもしれない」という思いに駆られ、場合によっては利用者さんを怪我させてしまうことにもつながりかねません。

「だって、本当に仕事できてなくて嫌だ」という人いますが、それを言うくらいであれば、その人はミスも一切しないし、自分は仕事が完璧にできると自負しているのでしょうか?

ダメ出しや指摘ばかりだと、誰もやる気も気力も失せますね。もちろんですが、そうやって人の欠点ばかりを探していると、良好な人間関係は築けるはずがありません。

良好な人間関係を求めるなら、人の出来ていないところを探していないで、良いところや出来ているところをどんどん探していきましょう。

そして、出来ていないところがあったとしても、さりげなくフォローしていけばいいのです。どんな人も、どこかでフォローされて助けられています。だから、責めるということはナンセンスであると思います。

どうしても、指摘が必要な場合もあると思います。その場合は、相手の良いところを先に褒めてから「もっとここをこうしたら良くなると思う」という形で伝えると、心の壁が取り払われ、心地よく受け入れることができます。

 

 


介護現場は、様々な個性を持つ職員が集まるチームです。

お互いに完璧を求めず小さなすれ違いは当たり前と受け止め、一つひとつのコミュニケーションを丁寧に積み重ねていくことが、良い人間関係を築くための第一歩なのではないでしょうか。

この記事を読んでくださった皆さんが、明日からの仕事で少しでも気持ち良く働けるヒントになれば嬉しいです。

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