高齢者の妄想性障害

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妄想性障害という病名は、有料老人ホームに入居している高齢者が、しばしばつけられる病名です。明らかな認知症や統合失調症とは診断されないが、第三者がきくと理解に苦しむ妄想がある場合にこの診断がされるようです。妄想というのはいろいろな非現実的な思い込みをさしますが、有料老人ホームでしばしばみるのが、被害妄想です。被害妄想は誰かにものを盗まれたとか、誰かが私を憎んでいて、いろいろ悪さをしかけてくるとか、有料老人ホーム介護職員が、私に嫌がらせをしているといった内容のものが多いです。介護職員が、じっくりと話をきいてあげて、そんなことはないと思いますよと伝えても、その考えは変わりません。これが妄想性障害です。有料老人ホームの医師の診察を受けると、多くは統合失調症に準じた内服薬を処方されることになります。

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有料老人ホームの医師

服薬により症状はおさまってくることも多いですが、一つの妄想がおさまると、またしばらくすると次の妄想が出てくることも多いです。妄想のある高齢者の対応をしていると、有料老人ホーム介護スタッフはかなり疲れます。真剣に対応すればするほど疲弊してしまうことになります。統合失調症の人でも同じですが、第三者に理解できない観念や妄想にとらわれている人の介護をする場合には、無理に正論を押し通そうとしても、こちらが疲れるだけです。ほとんどの場合は、こちらの意見を受け入れないからです。ですから、相手の観念をある程度、許容してあげて、そこに立脚しながら少しずつ、動いてもらいたい方法に導くという心づもりが必要になります。

有料老人ホームに入居する夫婦の問題と恋愛

有料老人ホームに入居してもボケる人とそうでない人がいます。認知症にかかりにくい人の特徴は広い人間関係を有している人であることです。また、高齢者でも恋愛をする人はいつまでも元気です。しかし、有料老人ホーム入居者同士の恋愛が、時にトラブルに発展することがあります。夫婦で入居しているケースでは一見問題がないようにみえても夫婦間の溝が大きい事例もあります。このような男女の問題、恋愛にかかわるトラブルは非常に扱いが難しく、介護職員も苦労します。夫婦で入居する場合は、まだ伴侶がいるので幸せなほうですが、それでも夫婦の生活がなくなったことによる苦悩をかかえるケースもあります。夫婦そろって、そういう欲求から卒業しているカップルも多いですが、夫と妻で求めるところが違う場合、苦しみは大きくなります。このような夫婦が抱える問題は、有料老人ホームにおける隠れた問題といえます。

介護職員が高齢者の恋愛の対応に苦慮することも

誰にも相談できないで悩むケースも多いようです。介護職員はそういった深いところには入れません。併設の診療所などがあっても、問題を主治医に相談することは少ないようです。こういった問題を医師に相談することに抵抗がある年代なのです。有料老人ホームへ入居して最期をまっとうしようと考える人が増えている中で、この問題に対処できるシステムや体制も今後は必要になってくるかと思います。高齢者になっても恋愛をすることで生きがいが生まれ、若返ります。精神的にも肉体的にも元気になることが多いです。アンチエイジングの観点からも、高齢者でも恋愛をしたほうが良いといえるでしょう。ただし、いかなる人間関係にもトラブルというのはつきものです。そうしたトラブルを回避したり、解決したりできる、相談役が有料老人ホームにも必要だといえるでしょう。併設されている診療所の医師がこうした相談に乗っているケースも多いです。しかし、これからの時代は、公認心理士や心理カウンセラーの資格のある看護師や介護福祉士が、求められていくことでしょう。

外国人の介護職を増やすことは危険

料老人ホームの入居者は、その施設の運営には高い関心を持ち、納得がいかないと必ずクレームを出します。運営連絡会議のような入居者の運営組織があり、その代表者と施設側が定期的に会議を開くようになっているところがほとんどです。有料老人ホームに入居するには、相応の資金が必要です。その高額な入居金を支払い、さらに毎月、管理費を支払い続けている入居者は、自分たちはこんな高いお金を支払っているのだから、きちんとしたサービスを受けて当然という意識がきわめて高いのです。いま、介護職になる人材が不足していて、どこの施設もスタッフが足りません。これは、就職しても続かずに辞めていく人が多いということでもあります。神経の細い人では、入居者の厳しい要求に耐えられずに、燃え尽きてしまうこともしばしばです。有料老人ホーム特有の現象です。特養など有料老人ホーム以外の施設では、比較的、入居者もその家族もクレーマーが少なく、むしろ感謝してくれるばかりのことも多く、スタッフはまだ楽でやりがいもあります。しかし、有料老人ホームはそのようには甘くはありません。

有料老人ホームの経営

高いサービスの基準、満足のいく対応、礼節、マナーなど、入居者の要求水準はきわめて高いといえるのです。したがって、今後、介護の一部をロボットが担当するようなことは受け入れられるかもしれませんが、外国人の看護師や介護士は、少なくとも有料老人ホームではなかなか入居者に受け入れられないと思われます。入居者は日本人スタッフの細やかな気配りや思いやりや礼節にあまりにも慣れ過ぎています。文化も道徳も違う外国人の看護師や介護士の言動を受け入れられるはずもないのです。有料老人ホームの経営者は、人材不足を機械化、ロボット化できるところはどんどん進めればよろしいですが、外国人スタッフを安く雇ってなどという考えは持たない方が良いでしょう。入居を検討している高齢者は、外国人スタッフがいるかどうかをまず見学時に確認しておくべきかと思います。そもそもこれだけ不況だ、就職難だというのであれば、まずは日本国民が介護分野に就職しやすい環境づくりを考えるのが先です。その努力もなく安易に外国人を入れるのは間違っています。地産地消は、人材においても言えることです。もし、安価な労働力を外国から入れれば、日本人の賃金はますます下がります。賃金が下がれば、少子化がさらに進み、さらに人口が減少し、さらに外国人を入れる、という悪循環の中で日本国は滅亡します。

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