この1年内に身内の方を亡くされた場合、
年末には喪中はがきを出されることが多いでしょう。
喪中の「喪に服す」というのは、悲しみの中にいて
慶びごとや楽しいことをする気持ちにはとてもなれません、という意味です。
ですので本来「喪」の期間を区切りようが無いものなのですが、
一般的には、配偶者や両親など1親等までで1年間。それ以外の親族は
3~6ヶ月ぐらいの間喪に服すという方が多いようです。
そして、喪中はがきは、私は今年は年賀の挨拶を控えます
(喪中なのでおめでとうございますという気持ちにはなれません)
ということを伝えるために出すものです。
こちらが喪中なので年賀状を出さないでくださいという要請ではないのです。
喪中はがきを書くべき範囲は?
一般的には、2親等までは喪中の範囲であるとされているので、2親等 、つまり、自分の祖父母・自分の兄弟姉妹・自分の兄弟姉妹の配偶者・自分の孫、そして、配偶者の祖父母・配偶者の兄弟姉妹・配偶者の兄弟姉妹の配偶者までは、一応喪に服します。
0親等である配偶者、1親等である自分の父母、配偶者の父母、自分の子供はもちろんです。
配偶者のご両親や配偶者2親等が亡くなられた場合は、夫婦で喪中ということになります。その場合、喪中はがきを出すときは、注意することとして、どなたが亡くなったのかお名前を書いておくほうがよいです。というのは、連名にした場合、夫の父母なのか、妻の父母なのか、といったことが曖昧で、喪中はがきを受け取った人が混乱することがあるからです。
ただ、一部の古風な家柄や、昔からの慣習を守っていきたい家柄では、お嫁さんとして嫁ぎ先の人間になったのだから、生まれの家とは別だから、という理由でお嫁さんの実父母が亡くなっても喪中という解釈をしないと言われる方もおられるようです。現代の人々の感覚からみるとお嫁さんはちょっとかわいそうな気がしますね。
また、同居していれば続柄に関わらず喪中ハガキを出すという認識の方もおられるようです。
ちなみに、3親等にあたるのは、自分の曾祖父母・自分の伯父叔父伯母叔母・自分の伯父叔父伯母叔母の配偶者・甥・姪・曾孫と配偶者の曾祖父母・配偶者の伯父叔父伯母叔母・配偶者の伯父叔父伯母叔母の配偶者です。この3親等にあたる方が亡くなられた場合は、一般的には喪中ハガキは出さなくてもよいです。
そして次に、喪中はがきを出す相手、普通の年賀状を出す相手をどう分けるかということですが、配偶者、子供、実父母の場合は迷うことなく皆に出すとは思いますが、迷うのは2親等の方が亡くなられた場合です。
亡くなられたことを知っている人や、亡くなったことを知らせたい人には喪中はがきを出し、
仕事関係や友人などで、知らせる必要がないと判断すれば、例年通りに年賀状を出せばよいのではないでしょうか。親戚関係は喪中はがきですし、もし、お葬式や忌引きとして会社などを休んだ場合は会社関係者には喪中はがきを出すことになるでしょう。
喪中はがきの文例
文例をひとつ挙げてみます。
出す時期は、年賀はがきが発売される11月頃から年末までです。
喪中につき年末年始の
御挨拶は遠慮させて頂きます
○○年◯◯月◯◯日に(続柄)(氏名)が◯◯歳にて永眠致しました
本年中に賜りましたご厚情を深謝致しますと共に
明年も変らぬご交誼のほどお願い申し上げます
寒さ厳しい折 皆様のご健勝をお祈りいたします
平成◯◯年◯◯月
日付、続柄、氏名、享年は、必要かどうか考えて取捨選択されるとよいでしょう。
差出人を夫婦の連名で出す場合は、続柄を書くならば「夫の実父」というように
具体的に書いたほうが誤解されずにすみますし、
続柄を書かない場合でも、故人の名前を書けば、姓から判断してもらえます。
ちなみに、亡くなったことを知っている方へも喪中はがきは出してよいです。
喪中はがきの宛名はどう書くか?
喪中はがきの宛名は、例年、年賀状をやり取りしている人の宛名で書きます。
友達同士のお付き合いの場合では、個人単独の宛名でよいですし、
「○○家」という家同士のお付き合いと考える場合は、世帯主宛てでよいでしょう。
また、宛名の字の色についてですが、一昔前と違い、現在は機械で郵便番号を読み取って分けているので、薄墨で印刷したり薄墨で書いてしまうと、機械が読み取れずに配達が遅くなったりしてしまいます。ですので黒色で印刷してよいのです。
自宅でパソコンとプリンターを使って印刷する場合は、喪中はがきの製品によっては、普通のハガキよりも厚みがあるものがあり、プリントできない場合もありますのでご注意ください。
喪中の豆知識
喪中の間のお正月は、お正月行事といったことはせずに過ごすのが一般的ですね。大掃除などはするでしょうが、鏡餅を飾る、門松を立てる、などのお祝いはしません。おせち料理やお雑煮もやめて、普段の食事をされる方も多いでしょう。
初詣をしてよいかどうかについては、様々な解釈があるようですが、神道では亡くなった人のために祈る期間を忌中と言い、50日間とされています。50日が過ぎていれば神社参拝してよいということのようです。
以前神主さんに聞いた話では、神道では、亡くなった方がおられると、穢れていると考えるということでした。でも、穢れというものは祓うことで消えるという考え方が神道にはあるので、忌中の場合でも、本殿の参拝前に、お祓い所でお祓いを受けると参拝できますよということでした。
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